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「く……っ、ぁ……っ、ん……っ、あ……っ」
それから数時間にわたって、男たちはミナハのからだをマッサージ機で弄び続けた。左の男の機械は、彼女の首筋やわき、そして胸の周りをねっとりと這い、いら立つようなむずかゆい刺激を与えてくる。そして右の男の機械は、彼女に快感を味わわせようとするように下腹部から秘所の近くを責めてくる。一つの場所の刺激を忘れようと思っても、すぐに別の場所に刺激を与えられるせいで、ミナハはその感覚を頭の外に追い払うこともできなかった。
「ん……っ、ふ……っ、あ……っ! いや……っ、んんっ!」
それに、ミナハに刺激に慣れさせないようにしているみたいに、男たちは時折マッサージ機の振動を強くしてくる。その機械を胸の先端や陰核に押し当てられると、ミナハはくぐもった声を漏らしながらからだをびくびくと反応させてしまう。
男たちはそんな彼女の反応を愉しみながら、何度も彼女を絶頂寸前まで追い詰めてくる。彼女の脚の間のシートは、秘所からこぼれ出した液体でびしょびしょになっていた。それでも、ミナハは他の乗客に気づかれないように声を抑えつけ、男たちの思い通りにならないように我慢する。何度も屈辱的な感覚を味わわされそうになりながらも、ミナハは痴漢男たちには屈しなかった。
ミナハがちらりと外を見ると、バスは都心のビル街を走り抜けていくところだった。
(もう少し、我慢すれば……っ)
あと十数分もすれば、バスターミナルに到着して、気持ち悪い痴漢行為も終わる──。ミナハがそう思っていると、左の男が彼女に囁いてくる。
「電マでおマンコいじられてるのにイかないなんて、さすが痴漢嫌いのミナハちゃんだねえ。でもおマンコはずっとヒクヒクしてヨダレ垂らしちゃってるよ。そろそろ我慢の限界なんじゃないかな?」
「……っ、ち、ちが……っ、あ……っ! ん……っ!」
否定の言葉も、喉からこぼれてくる声に遮られてしまう。いくら彼女がうわべだけの否定をしても、男たちの目にはミナハが必死に快感をこらえているのは明らかだった。
「へへへ……じゃあ最後までイかないように我慢しないとねえ」
男たちはニヤニヤ笑いながらミナハを見下ろしていた。嫌な予感がしてミナハが身構えていると、右の男が彼女のふくらはぎをがっしりと掴んで、ずり下がっていたショートパンツとショーツをつま先から抜かせる。
「いや……っ!」
ミナハは抵抗しようとしたが、ずっと快感を与えられ拒みつづけた彼女のからだには思うように力が入らなかった。男たちは彼女の足を椅子の上に持ち上げる。ミナハは男たちの間で足を開いたまま、身動きが取れなくなってしまう。
「へへへ……恥ずかしい格好になったなあ。ヌルヌルのマンコが丸見えだ」
「……っ」
ショーツを脱がされてから痴漢男たちには秘所を見られていたとはいえ、足を閉じれば少しは男たちの視線を遮ることはできていたのに……今のミナハの体勢では、どうやっても隠すことはできない。前のシートのポケットからフロントカメラで撮影しつづけているスマホの画面にも、股を大きく開いた彼女の姿が映っていた。痴漢たちだけでなく、この動画を見る最低な男たちにもこんな恥ずかしい姿を見られてしまう……、ミナハが悔しげに顔をそむけると、男はマッサージ機を見せてくる。
「実はなあ、この電マ、もっと強くできるんだよなあ」
男がそう言って機械のボタンを操作すると、虫の羽音のような音が大きくなる。
「へへ……そろそろ手加減なしでイかせてやるか」
男の言葉に、ミナハの呼吸が一瞬乱れる。さっきまでの責めだけでもほとんど限界だったのに、これ以上強く刺激されたら……。そう考えてしまいそうになって、ミナハは慌てて頭からそんな弱気な考えを追い払う。
(何をされても、こいつらの思い通りになんかならない……っ!)
ミナハはそう心の中で強く思った。しかし──
「……っ、あぁ……っ!」
男が振動を強くした機械を陰核に当てると、彼女の喉からは嬌声が漏れ出てしまう。
「ああ……っ! んんん………っ、んあ……っ!」
さっきまでとは比べ物にならないほど強烈な刺激が、彼女の秘所に襲い掛かる。その刺激をなんとか逸らそうとするように、ミナハはからだをもがかせる。足を閉じようと力を込めても、男たちに両側から強く拘束されているせいでびくともしなかった。
反応が大きくなったミナハにほくそ笑みながら、男たちはさらに彼女を追いこもうと責め立て始める。
「こっちもちゃんと強くしてあげないとねえ」
左の男は、ミナハの胸の先端に当てていた機械の振動を強くする。男たちにいじられ続けたせいでぴんと尖った彼女の先端は、その刺激を敏感に感じ取ってしまって──ミナハはびくりとからだを震わせる。
「あ……っ、んん……っ、んんん……っ!」
男は彼女の敏感な乳首をねぶるように、マッサージ機のヘッドを動かしながら押し当て続ける。この数時間、何度も達してしまいそうになりながらもその寸前で何とか耐え忍んできたのに、さらに強い刺激を与えられて……ミナハのからだの中では、もうあの感覚が今にも破裂してしまいそうになっていた。
(こんな最低なやつらになんて、絶対ダメなのに……っ)
女の子を辱めて楽しむような最低な男たちに痴漢されて、達してしまう──そんなこと、ミナハは絶対に許せなかった。からだの中で暴れまわる感覚を何とか抑え込もうと、ミナハはからだをよじらせる。しかし、彼女の腕を後ろに縛り付けている手錠がカチャカチャと音を立てるだけだった。
「あぁぁ……っ! んっ、くぅ……っ、んんん……っ!」
「へへ、まだ我慢するのかよ。でももう限界なんだろ?」
男はせいいっぱい抵抗するミナハを優越感に満ちた目で見下ろしながら、そう言った。顔を真っ赤にしてからだをくねらせる彼女の姿は、男たちの目にも絶頂を我慢していることが明らかだった。それでも、ミナハは唇を噛みしめながら、いやいやをするように首を横に振る。そこには最初のような毅然とした彼女の面影はなく、ただ必死に痴漢に与えられる快感に抗おうとする姿があるだけだった。
男はそんなミナハにニンマリと笑う。そして──
「へへ……ほら、イけ」
彼女の陰核をいじめていたマッサージ機を強く押し当てる。すでに限界だった彼女のからだがそんな刺激に耐えられるはずもなく、ミナハはついに男たちの前で絶頂させられてしまう。
「あぁぁ……っ! だめ……っ、んんんんんん────っ!」
陰核に痛いほどの刺激を与えられた瞬間、ミナハの全身がびくんとひときわ大きく震える。ずっと我慢していたせいか、頭が真っ白になるくらい激しい快感がからだじゅうを駆け巡って──彼女自身でも抑えがきかないほど、からだが反応してしまう。ミナハは必死に口をつぐんで声を漏らさないようにしながら、何度もからだを弓なりにしならせる。
絶頂したことを隠すこともできない彼女に、男たちは卑しい笑い声を上げながら、彼女の秘所と胸の先端をマッサージ機で苛み続けた。その刺激に何度も絶頂の波を味わわされ、ミナハはそのたびにからだをびくびくっと大きくわななかせる。
「──っ、やぁ……っ、んんんっ! あぁぁぁ……っ、んんん── っ!」
男たちに絶頂させられ、思い通りにからだを反応させられて、悔しいのに……一度達してしまったミナハには、からだの中で暴れまわる感覚を抑え込むことなんかできなかった。次から次へと流れ込んでくる快感に、ミナハは何度も何度もからだを痙攣させてしまう。そして──そんなミナハに、男は囁く。
「さっきまであんなに我慢してたのにイきまくりだなあ。でもまだ終わらせないからな」
「……っ」
意識を快感に押し流されてしまいそうになりながらも、ミナハは男の言葉にわずかな怯えを感じる。絶頂させられる以上のこと──そんなこと、たった数回自慰行為をしたことがある程度の彼女には想像もつかなかった。男は彼女のからだを絶頂の淵に打ち付けたまま、手元の機械のボタンを操作する。
「……っ!」
ミナハはそれを見て、固唾を飲む。さっきまでの強さで何度も絶頂させられたのに、さらに強くされるなんて──。ミナハの想像通り、男の持つ機械は周りの乗客にも聞こえてしまいそうな大きさの音を立てながら振動しはじめる。しかし、ミナハにはそんなことを気にしている余裕さえなかった。
「……っ、いやぁぁぁぁぁ……っ! んんんんっ!」
マッサージ機は彼女の敏感な突起をさらに強く刺激しはじめ──その感触にミナハはまだすぐに絶頂してしまう。そして、彼女のからだには絶頂の予兆とはちがう感覚が走る。
(だめ……っ、なにかきちゃう……っ!)
その未知の感覚を、ミナハはかぶりを振って抑え込もうとする。彼女は尿意を我慢しようとするときのように、両側から男たちに掴まれている足を必死に閉じようとする。しかし、彼女のそんな仕草は、逆に男に彼女の限界を知らせてしまっていた。
「へへ……ほら、イきながら潮吹きしろ」
男はそう言って、強くしたマッサージ機を彼女の陰核にぎゅっと押し当てた。
「だめっ、だめ……っ! んあああぁぁぁ……っ!」
ミナハがまたからだをびくびくと震わせるのと同時に、彼女の秘所から勢いよく液体が噴き出してくる。経験したことのない出来事にミナハはパニックに陥りながらも、何とかそれを押しとどめようとする。
(な、なにこれ……っ、おねがい、止まって……っ!)
バスの中でこんな恥ずかしい姿をさらしてしまったら──。しかし、怯えるミナハの心を読んだかのように、男たちは彼女のからだをいじめる手を休めなかった。
「や、やめてぇ……っ! あああ……っ、んんん──っ!」
彼女の秘所の痙攣に合わせて、透明な液体が何度も飛び散る。あたりに生臭い匂いが充満し、ミナハの座席の足元には彼女の秘所から噴き出た液体で水たまりができていた。彼女が何度からだを震わせながら潮吹きしても、男たちは責めるのをやめずに、彼女に徹底的に恥辱を味わわせる。
「ああ……っ、ん……っ、あぅぅ……っ」
やがて、彼女の秘所から液体が出なくなり、からだの反応が弱くなると、男たちはようやく機械を彼女のからだから離した。
「……っ、はぁ……、はぁ……っ」
ミナハは頬を上気させながら、乱れた呼吸を整える。卑怯な痴漢男たちにからだを好き勝手された上、絶頂させられて、さらに恥ずかしいことまでさせられて──痴漢に絶対に屈しないという彼女の心は揺らぎそうになっていた。そして──
「あ……っ」
ミナハは、近くの座席に座っていた中学生くらいの男の子が、振り返って彼女の方を見ていたことに気づく。目が合うと、男の子はすぐに目をそらした。幸い、他の乗客には気づかれていないようだったが、見ず知らずの少年に恥ずかしい場所をさらけ出した姿を見られてしまったことに、ミナハは情けない気持ちになる。
「へへ……あいつ、ずっとチラチラお前のこと見てたぞ。 イきながら漏らしてるところも見られたかもなあ」
男に言われて、ミナハは頬を赤く染めながら目を伏せる。最初の強気さの影もないミナハの姿を見下ろしながら、男たちはニンマリと笑う。
バスはターミナルに到着しようとしていた。これで、痴漢男たちの辱めも終わり──ミナハが安堵した瞬間、左の男が突然彼女の口と鼻を白い布のようなもので覆う。
「──っ!」
手足を拘束されている上に、度重なる絶頂に疲れ果てた彼女のからだでは、そのとっさの出来事に反応することができなかった。息を吸い込んでしまった数秒後、細長い肢体をバスのシートに投げ出したままの姿で、彼女の意識は闇の中に吸い込まれていった。