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未開発のGスポットを道具で刺激され続けるうちに、ミナハのからだには彼女が知らない感覚が走り始める。それは、陰核をいじられて感じるような、鋭い快感ではなくて──少しずつ、下腹部からじんわりとからだに浸透してくるような快感だった。悩ましげに眉根を寄せて、喘ぎ交じりの吐息をつきながら、ミナハはその未知の感覚を押し込めようと必死になる。
「ああ……っ! んん……っ、ふぁ……っ」
しかし、秘所からはもうとめどなく愛液があふれ出していて──男の目からも、ミナハがGスポットで快感を感じ始めているのは明らかだった。男はニヤリと笑みを浮かべて、ミナハに囁く。
「さっきまで未開発だったのにもうGスポで感じてるのか? お前、なかなか淫乱マンコの素質があるぞ」
「……っ、ち、ちがう……っ!」
性的なことを嫌っているミナハにとって、そんな下品な侮辱は絶対に許せなかった。ミナハはとっさに男の言葉を否定する。
「へえ。ならお前のカラダに聞いてやらないとなあ」
男は卑しい笑みを浮かべながら、陰湿な口調でそう言った。そして、彼女の秘所に差し込んだバイブの振動を強くする。
「……っ、あああっ! んんん……っ!」
知らない快感に戸惑っていた彼女のからだに、その責めは効きすぎるほどだった。ミナハははっきりと艶を帯びた声を上げながら悶える。少しずつ下腹部に溜まっていた快感が、火が付いたように彼女のからだの中で暴れはじめて……ミナハは思わず、その刺激から逃げようと腰を浮かした。
「何逃げようとしてるんだ?」
そんな仕草も男に見とがめられてしまう。男は彼女に罰を与えるように、振動する道具の先端で彼女のその場所を突いた。
「ひゃうっ! んん……っ! あん……っ!」
ミナハの口から情けない声が漏れてしまう。男はそんな彼女の反応に高笑いしながら、未熟な彼女の膣内の性感帯に刺激を与え続ける。その場所を刺激されればされるほど、からだの奥から波紋のように快感が生まれてきて、止まらなくなって──ミナハは少しずつ、からだの中の感覚が張りつめてくるのを感じる。
(……っ、やだ……っ、ほんとに嫌なのに……っ)
最初は何ともなかった「Gスポット」なんて場所を、男に感じるようにさせられて……「開発」されるなんて、嫌だった。それに、男にあんなに最低なことを言われたばかりなのに、達してしまったりしたら──男のあんな言いがかりすらも、否定できなくなってしまう。だから、快感を感じていることは、絶対に認めるわけにはいかないのに……ミナハのからだの中のその感覚は、もうそのしきい値を超えてしまいそうになっていた。
「……っ、やぁ……っ! んんん……っ! んぁぁ……っ!」
ミナハは絶頂をどうにかしてこらえようとするように、からだをかたくする。しかし、その反応のせいで、逆に男に彼女のからだの状態を悟られてしまう。
「へへ……もうイきそうになってるなあ。さすが淫乱マンコだな」
「……っ」
男の言葉に悔しさを煽られながらも、ミナハにはその場所から生まれる快感に抵抗する方法はなかった。
「ほら、イけ」
男はまたミナハのGスポットを、その道具でつついた。その刺激に耐えられるはずもなく──ミナハは、初めてGスポットで絶頂してしまう。
「ひゃん……っ! いやぁっ、 んああぁぁぁ……っ!」
磔にされたミナハのからだが、快感に翻弄されるように何度も跳ねる。うねるような快感が襲いかかってきて、からだが蕩けてしまいそうになる。今までに経験したことのないような感覚に、ミナハはされるがままになってしまって──甘い声を響かせながら、からだを震わせた。
ミナハのからだの力が抜けると、男は陰湿な笑みを浮かべながら、彼女に言う。
「イったなあ。初めての中イキはどうだ?」
「……っ」
自分でも触ったことがなかった秘所の中の性感帯を、男にいじられて──望まない快楽を与えられて、絶頂までさせられてしまった……。こんなに屈辱的なことをされているのに、与えられる刺激に快感を感じてしまう自分のからだが悔しくなる。ミナハが唇を噛みしめると、男は彼女に言った。
「へへ、いい加減認めろよ。淫乱マゾだってな」
「……っ、ちがう……っ、これは、あんたが、変なこと──あん……っ!」
ミナハが反論しようとすると、男は彼女の秘所のその場所に機械を押し当てる。開発されたばかりのその場所は、刺激に敏感になっていて、彼女の言葉を遮って嬌声が漏れ出してしまう。
「まだイき足りないのか?」
男は笑いながら、またバイブでミナハの弱点を刺激し始めた。
「……っ、あ……っ、だめ……っ!」
イかされて屈辱的な思いをしたばかりなのに、また彼女の秘所には甘やかな快感が走り始める。ミナハは無意識に制止の声を上げたが、男が従うはずがなかった。