次の週の月曜日、あたしはまた同じ男子に呼び出された。LINEには、「空き教室に来い」というメッセージと一緒に、柚乃が裸で知らない男たちにひどいことをされている画像と、あたしが男子に犯されているときの画像が送られてきていた。こんな最低な男子の言いなりにならないといけないなんて、ほんとに悔しい……。
あたしはいら立ちながら、数日前男子にひどいことをされた空き教室に向かった。教室に入ると、あたしを呼び出した男子のほかにもう一人クラスの男子がいた。あたしを脅してきた男子がよくつるんでいるグループの中の一人だった。
「ちゃんと来たな。言った通りだろ?」
「マジかよ。ってことはあの動画もホンモノなのか?」
ああ、とあたしを脅してきた方の男子が言った。
「どういうこと? なんであんたがいるのよ」
あたしがもう一人の男子を睨みつけながら言うと、あたしを犯した男子が答える。
「この前のお前の動画、こいつにも見せてやったんだよ。そしたらこいつもお前とヤりたいって言うからよ、連れてきてやったんだよ」
「……っ」
数日前、あたしは男子に脅されて、無理やりされて……そのときのことを動画に撮られてしまっていた。その動画には、思い出したくもないような恥ずかしい姿も映っている。そんな動画を見せびらかすなんて、やっぱり男子ってほんとに最低……。
あたしがそう思っていると、その動画を見た男子はニヤけながらあたしを見下ろして言った。
「美沢のレイプ動画、なかなか良かったぞ。俺、土日はずっとあの動画でシコってたんだよなあ。お前レイプされて何回もイってたよな?」
いちばん触れられたくなかったことを男子にずけずけと言われて、顔が熱くなる。やっぱり、あの姿も見られて……しかも、男子が性欲を発散させるために使われたと知って、余計に恥ずかしくなってしまう。
「……っ、あんたたち、ほんとキモい」
あたしが言っても、男子たちは気持ち悪い笑みを崩さなかった。そして、制服の下まで見透かすようないやらしい視線であたしのからだを見てくる。あたしが隠すように腕を組むと、男子の一人があたしを取り囲むように後ろに回った。
「あんなに泣かせてやったのに相変わらず生意気だなあ。ああ、そう言えばこの前パイパンにしてこいって言ったよな。ちゃんとマン毛剃ってきたか?」
「……っ、そんなこと、するわけないでしょ……っ!」
男子にさんざん犯されたあと、そう言われたのはあたしも覚えていた。でも、あそこの毛を全部剃るなんてできるはずない。寮に住んでるあたしは、お風呂場でほかの子のをたまたま見ちゃうこともあるけど、生えてない子なんてほとんどいない。もしあそこをつるつるにしたのをお風呂でほかの子に見られたらって思うと、すごく恥ずかしい。それに、同じ部屋に住んでいる柚乃にだって見られちゃうかもしれないし……。
「おいおい、自分の立場が分かってないみたいだな。今すぐ紗倉にあいつのエロ動画送りつけて脅してやってもいいんだぞ? それとも、お前がレイプされてイってるのがいいか?」
「や、やめて! そんなのだめに決まってるでしょ……!」
男子はあたしを挑発するようにスマホをひらひら振りながら言ってくる。もう一人の男子はさっきの男子の言葉に食いつくように言った。
「おい、こいつだけじゃなくて紗倉もヤれるのか? 二年のツートップ両方とヤれるなんか最高じゃねえか」
「ああ。こいつが俺達の命令に逆らったらいつでもヤっていいんだもんなあ。なあ美沢」
「……っ」
あたしを脅してきた男子だけじゃなくて、別の男子も柚乃やあたしを脅迫してひどいことして楽しみたがってる……。男子たちの卑劣さに腹が立つ。でも、男子が柚乃の動画を持っている限り、あたしには逆らうことはできなかった。柚乃がこんな男子にえっちなことを無理やりされるなんて、考えただけで寒気がする。それに、あたしは自分自身の動画も男子に撮られていて……もしあんな動画を柚乃に見られたらって思うと気が気じゃなかった。
あそこの毛を全部剃るなんて恥ずかしいこと、ほんとに嫌なのに……。
「へへ……まあ、今日のところは紗倉には何もしないでおいてやるよ。紗倉よりお前の方がエロい身体してる分、楽しめるしなあ。その代わり、今から俺の命令に逆らったらどうなるか教えてやるからな」
「……っ」
男子にそう言われて、数日前にされたことを思い出しそうになる。今度は男子二人にあんなことをされるかもしれないって思うと、あたしは少し怖くなる。足が震えるのを男子に気づかれないように、あたしは自分のからだを抱いたまま、男子たちを睨んだ。