そんなミナハの制止を気に留めることなく、男はじっくりとほぐすように彼女のその場所に指を忍びこませる。
「……っ、いやぁ……っ!」
性的な知識のほとんどないミナハにとっては、その場所をいじられるなんて、考えたこともないことだった。見られるだけでも震えるほど恥ずかしかったのに、今度は指を入れられて──ミナハの口から、羞恥に押しつぶされそうな声が漏れ出す。しかし、男の指は、容赦なく彼女の後ろの穴に侵入してくる。
「……っ、ん、んうぅ……っ! あぁぁ……っ!」
男の指が、おしりの中をかき分けて入ってくる……。その気持ち悪さに、ミナハは膝をつきそうになりながら必死に耐える。反射的に防ごうと何度もミナハの腕が動いたが、ベッドの支柱にかけられた手錠に阻まれてガチャガチャと音を立てるだけだった。初めて経験する責めに、ミナハのその場所はその異物を締め出そうとするようにぎゅうっと狭くなる。
「やっぱりこっちも処女みたいだなあ。力抜かないと余計に苦しくなるぞ」
男は辛がる彼女を見て笑いながら、他人事のようにそう言う。苦しくてたまらなくなっていたミナハは、考える余裕もなくそんな男の言葉にすら従ってしまう。
「はぁ……っ、んぁぁ……っ、ふあぁぁぁっ!」
力を緩めると、男の指への締め付けが和らぎ、その場所の苦しさが少しだけ楽になる。しかし、生まれたほんの少しの隙間に、男はすかさず指をねじ込んだ。男の指がより深くまで入り込んでくる感触に、ミナハは張り裂けそうな声を上げてしまう。
「あ……っ、う……っ、あぐ……っ」
やがて、男の中指は、彼女のおしりの中にすべて入った。ミナハは息も絶え絶えになりながら、おしりの中の異物感を耐えしのぶ。
「へへ、苦しいか? ぎっちり咥え込みやがって」
そんな男の言葉に反感を覚える余裕すら、今のミナハにはなかった。からだを震わせながら息をつく彼女を弄ぶように、男は中に入った指を抜き差しし始める。
「うぅぅ……っ、ひあぁ……っ! う、動かさないでぇ……っ! 」
男の指がおしりの中を擦りながら出て行くと、排泄するのに似た気持ち悪い感覚が襲いかかってくる。そして、指が抜けて違和感が和らいだかと思うと、それはすぐにまた押し入ってきて、逃げ場のない息苦しさを与えてくる。入れられただけで苦しくてたまらなかったのに、中で指を動かされて──ミナハは、我を忘れて懇願してしまう。
男はそんな彼女の姿を愉しみながら、何度も指を前後に動かした。最初こそ、侵入を拒むようにぎっちりと締め付けていた彼女のその場所だったが、そうされるたび、徐々に男の指への抵抗が少なくなっていく。ミナハ自身も、少しずつ苦しさが和らいでくるのを感じていた。
「へへ、もうほぐれてきたなあ。なかなか素質あるんじゃないか?」
「……っ!」
ミナハは自分に言い聞かせるように首を振る。他人に触られることも、見られることすら信じられないような場所を弄ばれて──それを受け入れてしまうような「素質」なんて、絶対に認めるわけにはいかなかった。しかし、彼女に徹底的に辱めを与えようとしている男にとって、それは格好の餌食だった。
「認めないならカラダに覚えさせてやるよ」
男は彼女のその場所の壁をえぐるように、中に入った指を折り曲げた。
「ひゃううぅぅっ! そ、それだめぇっ!」
その瞬間、ミナハはその指に操られるようにびくんとからだをのけぞらせる。ほぐれかけていた彼女の秘穴は、ふためくように何度も収縮する。しかし、男はそんなことには構わずに、彼女の一番恥ずかしい場所に指を出し入れさせて──さらに、中をかき回すように指を動かす。
「はっ、あうぅぅっ! そ、それやめてぇ……っ!」
目を見開いて声を裏返らせながら、ミナハは身もだえする。指一本でからだを完全に支配され、身をよじることしかできない彼女の姿は、男の征服欲をたまらなく刺激するものだった。男は彼女を嘲笑しながら、屈服させようとするように、何度も指を突き入れ、中の壁をつつく。
「ひゃんっ! んうぅ……っ、きゃうぅぅ……っ!」
男の指は生き物のように無遠慮にその場所を這い回る。それを続けられているうちに、ミナハのからだには、彼女が知らなかった感覚が生まれ始めていた。それは、おしりにものを入れられる異物感とは違う──からだの奥をなぞられて、背筋がぞくぞくするような感覚だった。
(……っ、なにこれ……っ、やだ……っ)
ミナハは未知の感覚に戸惑っている間にも、男の指はそれを彼女のからだに刻み込んでいく。そして、その感覚に反応するように、男のものが入ったままのミナハの秘所がきゅっと締まった。男はいとも簡単にそのことに気づき、ミナハにたっぷり恥辱を与えようと、彼女の耳元で囁いた。
「おい、なんでケツいじられてマンコヒクつかせてるんだ?」
「……っ!」
おしりをいじられてすごく気持ち悪いはずなのに、からだにはそうじゃない感覚が走って、あそこが反応してしまって……男の指に中をかき回されるたび、その感覚は大きくなっていく。自分でも否定しようのない感覚を男に見透かされ、ミナハの心臓がドキリと跳ねる。
「強気な女はアナルが弱いって言うからなあ。どうやらお前もそうらしいな」
彼女への嘲りが含まれた男の言葉を、一瞬まともに受け止めてしまいそうになって──ミナハは必死に首を振る。しかし、男は彼女に言い逃れを許さなかった。
「ひ、ひゃうぅっ! も、もうそれやめてぇ……っ!」
ミナハを追い詰めるように、男は彼女の中で指を暴れさせる。ミナハは悲鳴のような声を上げながら、ひたすらからだを悶えさせた。
「へへ、やめてほしいなら『アナルが弱い変態なのでやめてください』って言えよ」
「……っ」
男はニヤニヤ笑いながら、彼女に屈辱的な言葉を口にさせようとする。しかし、すぐそこにいるのは、最低な痴漢で……その男にそんな言葉を言うことは、今のミナハにもできるはずがなかった。その間にも、おしりに指を入れられている不快感は小さくなってきて──反対に、背筋がざわめくような感覚がどんどん強くなる。
「へへへ……強情だなあ。じゃあそろそろ前戯は終わりにしてやるか」
「……っ、ふぁ……っ」
男はそう言って、彼女のおしりの穴から指を抜いた。その場所をいじられる辛さがやんで一息つく彼女の背後で、男は新たな器具を手に取った。そして、彼女を怯えさせるようにそれを目の前で見せる。
「……っ!」
それはシリコンのような素材でできていて、ビー玉ほどの大きさの玉がいくつも連なったような形をしていた。そして、持ち手のところにはボタンのようなものがついている。ミナハはその器具を見て、悪い想像をしてしまう。息を飲む彼女に、男はその想像通りのことを言った。
「これでアナル遊んでやるよ。謝るなら今のうちだぞ?」
「……っ」
あんなものをおしりの中に入れられたら──。そう思うと、ミナハの心臓は嫌な音を立てる。指を入れられただけでもあんなに苦しかったのに、それよりずっと太く長いものを入れられるなんて、すごく怖くて──それでも、痴漢男に屈するのは、彼女のプライドが許さなかった。
思い通りに怯える彼女に笑いながら、男はその器具にローションを垂らす。そして、震える彼女の秘穴にそれをあてがった。