そう言って、三年の女子たちの手があたしのからだに伸びてくる。一人があたしの右の胸を鷲掴みにし、強く揉んだ。あたしは痛みに顔をしかめる。
「いやらしいおっぱいだねえ。いつも男子に見られて喜んでるんだよね?」
「そんなわけないでしょ……」
なるべく見られてるのを気にしないようにはしているが、注目を浴びてしまう大きい胸はあたしにとってはコンプレックスだ。見られて嬉しいはずがない。あたしの返答が彼女たちの劣等感を煽ってしまったのか、あたしの胸を触る手つきが乱暴になる。別の手が伸びてきて、あたしの左胸をつかんだ。
「いたい……っ」
三年生の女子たちの手で、あたしの両胸は原型を留めないほどもみくちゃにされる。あたしが痛みを訴えると、三年生たちは嗜虐心に満ちた表情であたしの顔を見た。
「じゃあこっちはどうかなぁ」
「あうっ!」
左胸を揉んでいた女子が、先端をぎゅっとつねってくる。痛みにあたしはびくっとからだを震わせ、声を漏らした。
「『あう』だって。可愛い声出すじゃん」
「うるさい……くっ……」
女子は嘲笑しながら、あたしの乳首を引っ張る。彼女の手の動きに合わせて乳房が伸び、みっともない形になる。伸び切るほど引っ張られると、乳首がちぎれてしまいそうな痛みを感じる。彼女はそこでやっと指を離した。胸の形が変わるのを面白がるようにそれを何度も繰り返され、あたしは痛みに涙をこぼしそうになる。
「沙希ぃ、やめてあげなよぉ。半泣きになってるじゃん」
あたしの姿を撮影していた女子が、笑いながら言う。言葉とは裏腹に、カメラはあたしの顔を映していた。胸をいじっていた三年の女子も笑いながらあたしに言ってくる。
「ごめんねぇ、痛かったよねぇ。もうちょっと優しくしてあげるね」
そう言っていじっていた乳首に爪を立て、かりかりと引っ掻いた。痛みで敏感にされた場所を刺激され、あたしはからだをよじって反応してしまう。
「あっ……んんっ……!」
「おやおや? もしかしてー、おっぱいいじられて、感じてるのかなぁ?」
「そんなこと──」
あたしが女子に言い返そうとすると、右の胸を弄んでいたもうひとりの女子もあたしの乳首をつまみ、すりつぶすように指を動かす。
「んっ……!」
「へえ、こんなにおっきいのに敏感なんだぁ?」
否定したいのに、女子たちの言葉通りの反応を返してしまうのが悔しい。あたしがなんとか抑え込もうとしていると、スマホのカメラがあたしの表情を捉えてくる。
「凪沙ちゃんは、こんなにおっぱい大きいのに、乳首はとっても敏感みたいでーす」
あたしはカメラを睨んだ。感じている顔なんか撮られたくない。しかし、女子は空いた手であたしの剥き出しのわきを引っ掻いた。
「あぁっ……っ!」
あたしはびくっと震え、目元を緩ませてしまう。カメラはあたしのわきに近づき、そこを撮りはじめた。
「じゃーん! いつも男子が舐めたがってる、凪沙ちゃんのワキでーす。ちゃんと処理してますねー。でもこうやっていじられると──」
「んんっ!」
「──感じちゃいまーす。凪沙ちゃんは身体じゅう敏感みたいですねー」
恥ずかしいことを言われながら、無防備なからだをいじられ、それを撮影される。そして彼女たちはあたしの一番の弱点に触れてくる。感度を確かめるように乱雑に耳に指を入れられ、触られると、あたしは声を漏らした。
「ひゃうっ!」
あたしの情けない声に、三年の女子たちの笑い声が起きる。あたしは自分のからだにこんな弱点があることを呪わずにはいられなかった。
「凪沙ちゃんは耳が特に弱いみたいですよー。もし凪沙ちゃんとえっちする機会があったら、みんな責めてあげてくださいねー」
カメラを持つ女子がそう言う。女子の一人があたしの耳に顔を近づけ、ふーっと息を吹きかけてくる。あたしはびくびくとからだを痙攣させた。
「耳だけで感じすぎでしょ。じゃあこういうのはどうかなぁ?」
女子は耳たぶを甘噛みし、そのまま舌を這わせてきた。
「やっ……やめてっ」
女子があたしの制止を聞いてくれるはずもなく、そのまま耳の周りを舐め、舌を穴の中に入れてくる。男のなめくじのような舌とは違う、柔らかく熱いものが這う感触に、あたしは声を漏らしてしまう。
「ああっ……やぁ……っ」
舌から逃れるために顔を背けようとしたが、逆側の耳にも別の女子の舌が入り込んでくる。両耳を責められ、背筋をぞわぞわとした快感が走り抜ける。鳥肌が立ち、あたしのからだは制御できないぐらいに跳ねてしまう。
「んっ……やめて……耳やだぁ……っ」
女子たちは乳首やわきをいじりながら、あたしの耳を犯した。あたしは一年生が見ていることや、カメラで撮られていることも忘れて、正直な反応を返してしまいそうになっていた。女子たちは何度も耳の中に舌を出入りさせ、そのたびにあたしは喘ぎ声を漏らした。
「あっ……くっ……んっ……!」
熱い吐息を吐いていると、耳を舐めている女子の一人があたしの秘所の変化に目ざとく気づく。
「あれー? これは何かなぁ」
あたしの秘所は触れられてもいないのに濡れてしまっていた。秘所の愛液を掬いだし、あたしに見せつけてくる。彼女が開いた指には、糸を引く光る液体がこびりついている。
「女の子に耳舐められて、おっぱいいじられて、感じちゃった?」
「ち、ちがう……」
あたしの否定の言葉は空虚にしか響かない。別の女子がからかってくる。
「へぇ。もしかして、そっちの気あるの? だから彼氏いないのかなぁ」
そう言ってきた女子をあたしは睨み返す。
「ふーん、まだそんな反抗的な態度取るんだー。じゃあもっといじめちゃおっと」