(……っ、ほんと最低……っ!)
あたしはいらだつ気持ちを落ち着けながら、男子にずらされたショーツをもとに戻した。恥ずかしい思いをしたけど、もう男子もいないんだから、今日はきっとこれで帰れる……。こんな格好のせいで、ほかの人からは見られるかもしれないけど、男子にいやらしいことをされるのに比べれば我慢できる。
あたしがまわりを見ると、すぐ近くに立っていた知らない男と目が合う。男はニヤニヤしながらあたしのからだを見下ろしていた。気持ち悪くなって別の方に目を向けると、また近くの男と目が合って……。その男も、目の前の男もあたしを同じような表情で見下ろしていた。
囲まれてる……?
あたしが移動しようとすると、男たちは行く手をふさいでくる。文句を言おうとしたとき、後ろの男がおしりを触ってきた。振り向くと、あたしの背後には知らない中年の男が立っていた。
「ずいぶんエッチな格好してるねえ。ムチムチの太もももほっそりしたおなかも全部丸見えだ。さっきの彼とデートだったのかな?」
中年の男はそう言いながら、あたしの太ももの内側を揉むように触る。ちがう、あんなのが彼氏なわけない……。あたしは否定しようと思ったけど、無視していれば飽きて触るのをやめるかもしれない。そう思って、あたしは男に何も返さなかった。
「痴漢プレイでずいぶん感じてたねえ。君がビクビクしてるの、全部見えてたよ」
痴漢プレイ……あたしは脅されてあんなことをされてたのに、男たちにはそんなふうに見えていて、あたしは恥ずかしくなる。でもそれを顔に出さないようにして無視しつづけていると、男はショーツに触ってきた。
「もうおパンツもビショビショだ。ほら」
「や……っ!」
男はあたしのスカートをめくりあげようとした。そんなことをされて無反応でいるわけにもいかなくて、あたしはとっさに左手で押さえる。すると、隣にいた男があたしの手をつかんで、スカートから離させた。右手はつり革をつかんだまま、別の男につかまれてて……あたしは両手を男たちにつかまえられたまま、身動きが取れなくなってしまっていた。
この人たち、全員痴漢……? あたしが戸惑っていると、男は耳元で囁いてくる。
「へへ……実はみんな痴漢仲間でねえ。かわいい女の子に痴漢して、その動画を売って小銭稼いでるんだよねえ」
痴漢仲間、という聞き慣れない言葉に、あたしは嫌悪感を抱く。今までもこんなふうに、集団で女の子に痴漢してきたんだとしたら、ほんとに最低……! しかも、痴漢だけじゃなくて盗撮もするなんて……。
「君のことも、乗ってきてからずっと撮ってるんだよ。君みたいなかわいくてエッチな子のは、高く売れるからねえ。買った人は君に痴漢してるのを妄想して、シコシコするってわけ。痴漢されて悔しがったり恥ずかしがったりしながらイかされちゃう女の子って、そそるよねえ」
やっぱり……前の男はずっとあたしのことを撮影してたんだ……。それに、女の子が痴漢されている動画を買うような男たちがいるなんて、信じられない。男子も、ネットにこの路線で撮られた痴漢や盗撮の動画がたくさんあるって言ってたけど……女の子にそんなひどいことをして性欲を満たそうとするなんて、ほんとに気持ち悪い。
「……、あんたたち、クズみたいな人間ね……」
「へえ……痴漢に囲まれてるのに、強気だねえ。他の子だったら怖くなって震えちゃってるのに」
男は舌なめずりをしながら言った。こんなふうに男たちに囲まれたら、怖くて抵抗できない子もたくさんいると思う。そんな卑怯な手を使って痴漢する男たちに、あたしはもっと怒りが湧いてくる。
「あんたたちみたいな卑怯な男なんか、ぜんぜん怖くない。絶対警察に突き出してやる」
「へへ、それは楽しみだねぇ。でも今は大人しくしといたほうが身のためだよねえ。君が痴漢プレイで喜んでたとこも、ちゃんと撮ってあるんだからさあ」
「……っ」
男はあたしのスカートをめくりあげる。あたしを囲んでいる男たちの視線が、あらわになったあたしのショーツに向いて……男たちはニヤニヤ笑う。
「へえ、電車で痴漢プレイするような変態なのに、意外とおパンツは清楚な白なんだねえ。でもおまんこのところ、エッチな汁でシミになっちゃってるねえ。彼氏と痴漢プレイしておまんこ濡らしちゃってたんだ」
「……っ、いや……っ!」
男の言うとおり、男子にいじられて濡らされたせいで、あたしの白いショーツにはしみができていた。正面の男のスマホのカメラもショーツを映してきて……あたしは恥ずかしくなって、顔をそらす。男たちはそんな様子に笑みを深くした。
「へへ……俺たちも触らせてもらうか」
あたしの腕をつかんでいる男たちがそう言った。あたしは腕を離させようとしたけど、男たちの手はびくともしなかった。左右から腕が伸びてきて、あたしのおっぱいを服の上からねっとりと揉みはじめる。
「へへ……おい、こいつノーブラじゃね?」
「……っ!」
あたしが知られたくなかったことも、男たちに知られてしまう。ブラを着けてないのはさっき男子に脱がされたせいなのに、そんな事情は痴漢たちは知らなくて……痴漢たちは好き勝手なことを言ってあたしを辱める。
「おいおい、こんなにデカいのにノーブラとはなあ。いやらしいおっぱい見せびらかして、男を喜ばせてたんだな」
「ち、ちがう……っ!」
あたしの否定も口先だけだと思っているのか、男たちは気持ち悪い笑みを浮かべながら、胸を揉みつづける。そして、生地の薄い服の上からあたしの先っぽの場所を探り当てて、きゅっとつまんだ。
「ちゃんとブラしてこないと、こんなふうに痴漢に乳首いじられるぞ?」
「ん……っ!」
男たちはあたしのおっぱいの先っぽを、じっくり引っかいたり、指の腹で撫でたりして刺激した。男たちがそんなふうに触るせいで、あたしの乳首は服の上からもはっきり分かるくらい、とがってしまう。
「へへ、服の上から乳首透けちゃってるねえ。本当にエッチな体だ」
後ろの男はいきなりあたしの耳の後ろを舐めてくる。背筋にぞわぞわした感覚が走って、あたしは声を出してしまう。
「あ……っ! ん……っ!」
「へへ……耳弱いんだねえ。さっき彼氏に責められたときもビクビクしてたよね」
あたしが反応してしまったせいか、男は調子に乗ってあたしの耳をしつこくいじめてくる。男のなめくじみたいな舌が、何度もあたしの耳に入ってこようとしてきて……嫌なのに、あたしはからだをびくっと震わせてしまう。
「……っ、気持ち悪いから、やめて……っ」
あたしが男に言うと、男はあたしの耳元でささやく。
「へえ。ほんとにそうかなぁ」
「や……っ!」
男はあたしのショーツの中に手を入れてくる。知らない男に触られるなんてやだ……! あたしがからだをよじっても、男の手を追い出すことはできなくて……男は、あたしの耳を舐めながら、指であたしのあそこの割れ目を撫でてくる。
「んん……っ!」
気持ち悪いはずの耳への刺激に、あたしのあそこはきゅっと反応してしまう。そして、またとろっとした液体が出てきてしまって……男の指は、あたしのその反応を確かめるようにゆっくりと動いた。
「へへ……口では生意気なこと言っても、こっちはヒクヒクしながらエッチなお汁垂らしてるねえ。やっぱりこういうプレイが大好きみたいだねえ」
「……っ、ちがうっ、こんなの好きなわけない……っ!」
首を振って否定すると、男たちはあたしをあざけるように笑った。
「へえ。じゃあこのおつゆは何なんだろうねえ」
男はあたしのあそこから出た液体をすくい取って、あたしの目の前で見せてくる。男が指を開くと、そこにはよだれみたいに糸を引く液体がべったりと付いていた。
「……っ」
恥ずかしいものを証拠みたいに見せられて、あたしは唇を噛んでうつむいた。あたしが反論できないでいると、そのことを認めさせようとするみたいに、男の指が秘所に入ってくる。男子にほぐされたせいで、あたしのあそこは男の指が入ってくるのを阻むことができなくて……男の指を甘く締めつけるだけになってしまっていた。