男子に連れられて、駅に入る。日曜日の駅にはそれなりに混雑していて、何人もの人の視線を感じた。恥ずかしいけど、隠せない……。しかも、歩くとスカートの裾が上がってしまう。あたしは小またになりながら、ときどき裾を引っ張って下ろした。
あたしを電車に乗せるつもりなのか、男子はホームへ続く上り階段の方に向かう。あたしがおしりに手を当てて階段を上ろうとすると、男子が言う。
「隠すなって言ったよなあ。俺の言うことが聞けないのか?」
「でも、見えちゃうでしょ……」
こんな短いスカートを履いていたら、のぞき込まれなくても下から見えてしまう。後ろを振り返ると何人もの人がいて、そのうち一人の中年の男は何かを期待するような眼差しであたしの方を見ていた。
「見えてもいいだろ? そんな服着てんだからちゃんとサービスしろよ」
「……っ、ほんとキモい……」
あたしの憎まれ口に、男子は優越感に浸るような笑みを浮かべる。どんなことを言ってもあたしは男子の命令を聞かないといけない……。あたしはおしりに当てていた手をどけて、階段を上がる。絶対見られてる……。後ろに視線をやると、さっきの中年の男と目が合う。睨みつけても男は視線をそらさずに、ニヤニヤしながらあたしの顔やおしりを見続けていた。
ホームで電車を待っているときも、周りの人たちの視線を感じる。こんなふうに見られながらずっと立ってるのも嫌だけど、こんな格好で電車に乗るのはもっと嫌だった。それに、男子のことだから、電車の中であたしに何かするつもりだろうし……。
男子はやってきた電車にあたしを乗せて、あたしの後ろに立った。車内は混雑していて、こんな中で恥ずかしいことをされたらと思うと、憂うつな気分になる。あたしの前には知らない男の乗客がいて、その男もスマホを見るふりをしながらあたしの姿をちらちら見ていた。
「へへ……周りの男たち、みんなお前のこと見てるぞ。何人かは今日お前のことオカズにするかもなあ」
男子はあたしの耳元でそうささやいて、恥ずかしさをあおってくる。男ってほんとに気持ち悪い……。あたしがそう思っていると、男子は言う。
「お前のエロ腋見せてやれよ。ちゃんとシコれるようにな」
「……、」
わき……。見られたい場所じゃないけど、あたしは仕方なくそれに従う。右手でつり革をつかむと、わきもおなかもがら空きになって……それに、大きく開いた袖口から、おっぱいも見えてしまってるかもしれない。車内の男たちの視線が、その場所に集まっているのを感じる。あたしの前の男は、もうスマホを見るふりもしないであたしをじっくりと見ていた。事情を知らない男たちからは、見せつけてるって思われてるかもしれなくて、それが悔しい。
でも、このまま、ただ見られるだけなら……。そう思っていると、男子は後ろからあたしのスカートの中に手を入れて、おしりを触りはじめた。
「……っ、ちょっと、触らないで……っ」
痴漢みたいなことをしてくる男子を、あたしは睨んだ。男子の手がゆっくり動いて、太ももを撫でてくる。ぞわぞわという気持ち悪さが背筋を走って、あたしは歯噛みする。やっぱり、電車の中で……。
「へへ……普段あんな短いスカートで登校してんだから、痴漢ぐらい慣れてるだろ? 我慢しろよ」
男子の手が太ももからだんだん上がってきて、ショーツのあそこの上をなぞってくる。あたしは制服のスカートもけっこう短くしてるからか、男子の言うとおり電車の中でおしりを触られたりすることはあるけど……そんなの、慣れるはずない。男子の手はその部分を何度も行き来して……その摩擦が、だんだんぴりぴりした感じになってくる。
「……っ、く……っ」
あたしがからだを固くして反応を押し殺していると、男子はあたしの耳元に息を吹きかけてくる。
「ん……っ!」
耳への責めに、あたしはびくっとからだを震わせる。あたしは耳が弱くて、嫌いな男子に舐められたり息を吹きかけられたりしても反応してしまう。そのことを知ってから、男子は何度も何度もそこを責めてきた。
「耳責めるとすぐビクビクするんだもんなあ。ほんと単純な体だよな」
男子にそうバカにされても、あたしはからだの反応を抑えることができない。からだに力を入れようとしても、耳への責めでいやらしいスイッチを入れられたみたいに、力が抜けてしまって……男子がショーツのクロッチのところを撫でる手つきに、あたしは足をもじつかせてしまう。
「ん……っ、ふ……ぁ……っ」
「あんまりいやらしい反応すると、見てる男たちが喜ぶぞ。前の奴なんか、お前のことずっと盗撮してるしな」
「……っ!」
顔を上げると、前の男のスマホのカメラがあたしの顔とからだに向いていた。スマホをいじってるふりをして、ずっとあたしのこと撮って……! あたしがカメラの向こうを睨みつけると、男はニヤっと笑う。
「この路線、痴漢も盗撮も多いらしいからなあ。ネット上にも山ほど転がってるぞ。お前の動画も公開されたら世界中の男たちのオカズだな」
男子はそう言って、またあたしを辱める。あたしは男子に強い視線を向けようとしたけど、男子の手がショーツの上から、あたしの突起のところを触ってきて……敏感なところへの刺激に、腰が引けてしまう。
「んん……っ!」
「濡れてきたなあ。こんなところで人に見られながら触られて感じてるのか?」
男子はあたしをあざけってくる。あたしは奥歯を噛み締めながら、男子に小声で反論する。
「ちがう……っ、あんたの触り方が気持ち悪いから……っ、あ……っ!」
思いどおりの言葉を返さないあたしに認めさせるように、男子はあたしのショーツをずらして、じかにあそこに触れてくる。あたしは周りの人に聞こえるような声を出してしまいそうになって、慌てて口を閉じた。
「ちょ、ちょっと、やめて、そんなところ……、ん……っ!」
男子はあたしの言葉を無視して、割れ目に指を這わせながら、少しずつ指を入れてくる。男子に触られたせいで濡れてしまっているあたしのあそこは、指を拒むことができなくて……自分のからだの大切な場所を、嫌いな男子にいじられてるのに、あたしはからだを震わせることしかできない。
「ん……っ、く……ぅ……っ!」
男子の指があたしのあそこに出たり入ったりして、それに反応してあたしのあそこからぬるぬるした液体が出てきてしまう。あたしはつり革につかまったまま、左手でスカートの裾をぎゅっと握りしめて、男子の責めを耐える。電車の中で、あそこの中までいじられてるなんて……すごく恥ずかしい。
「耳まで真っ赤だな。エロい顔してたらマンコいじられてるのバレるぞ」
男子にそう言われて、あたしは表情を見られないようにうつむいた。あそこをいじられてるせいで、顔が赤くなっちゃってて……もしそんな表情を見られたら、男子の言うとおりえっちなことをしてるってバレちゃう……。
「まあ、もうバレてるかもしれないけどなあ。お前のことずっとジロジロ見てるやつもいるしな」
「……っ、いやぁ……っ!」
そんなの、恥ずかしすぎる……。あたしが嫌がるように首を振っても、男子はあたしのあそこをいじるのをやめてくれない。それどころか、もっと敏感なところを……上の方の小さな突起を、指でつまんでくる。
「んんんっ! そ、それやめて……っ」
でも男子はあたしのそこをいじめ続けた。あたしの愛液がついた指で何度も擦ってきて、あたしはからだを縮こまらせながら、びくびく震えてしまう。
だめ……ここままいじられ続けたら……。
あたしが少しずつからだに溜まってくる感覚を、なんとか忘れようとする。でも、敏感なところをいじられればいじられるほど、無理矢理にでも感じさせられて……。あたしは声を出さないように口をぎゅっとつぐんで、目をつぶって──。
あたしが屈辱的な感覚を味わわされる寸前で、男子は指の動きを止めた。そしてニヤけながらあたしに問いかけてくる。
「へへ……イきそうになったか?」
「……っ」
あたしは息を荒げながら、男子を睨む。
「お前も俺にイかされるばっかりじゃつまんねえだろ? 俺はここで降りるからよ、お前はちゃんと終点まで乗って、たっぷり痴漢に可愛がってもらえよ」
男子の目的は、あたしを電車の中で辱めることじゃなくて……あたしにいやらしいことをしてるのを周りの人たちに見せつけて、痴漢に遭わせること……? 気づくと電車は次の駅についていて、ドアが開きかけていた。男子はそう言い残すと、人の波に紛れて電車を降りていく。
あたしが降りるかどうか迷うひまもなく、たくさんの人がまた乗ってきて、車内が窮屈になる。あたしは恥ずかしい格好のまま、ひとりで電車に取り残された。