「ん……っ」
さんざん自分で焦らしてしまったせいで、気持ちよさがすぐにからだじゅうに広がる。わたしはびくっとからだを震わせて手を止めそうになったけど、イくまで終われないのを思い出して、そこを刺激し続ける。早く終わらせないと、誰かに見られちゃうかもしれない……。
「ん……っ、ふ……っ」
突起を撫でたりしごいたりしていると、少しずつ快感がからだに溜まっていくのを感じる。秘所からどんどん液体が染み出してきて、机の上を汚してしまう。わたしは右手でいじりながら、左手を口に当てて、漏れそうになる声を押さえた。
触り続けていると、だんだん刺激に慣れてきて、気持ちよさも減ってくる。もっと気持ちいいところを触りたい……。無意識にそう思ってしまってから、はっとする。こんな恥ずかしいことをさせられているのに、気持ちよくなったりしちゃだめだ。わたしはそんないやらしい子じゃない。
でも、早くイかないと──。このままずっとこうしてるわけにはいかない。気持ちよくなるためじゃなくて、恥ずかしいのを早く終わらせるためだから──。
わたしは秘所の中に指を入れる。むかし、男の人に犯されたときに、いじられて無理やり感じさせられた場所……。
「あんっ……!」
膣の中の上の方にある敏感な場所に指先が触れると、電流のように快感がからだの中を突き抜ける。声も抑えられずに、わたしはびくびくとからだを震わせた。
「はぁ……っ、はぁ……んっ……! んん……っ」
わたしは何度もその場所にやさしく触る。わたしの気持ちよさに呼応するように、秘所はきゅっとしまって指を締め付ける。透明な液体が溢れ出してきて指に絡まり、わたしが自分のあそこをいじるいやらしい音が響く。
「あ……っ、だめっ……ん……っ」
気持ちよさがだんだんからだに溜まってくる。このままいじり続けたら、すぐイっちゃう……。イッちゃったら、気持ちいいのはおしまいなのに──。
一瞬、そんな思いが頭をよぎり、わたしは首を振った。こんな恥ずかしいこと、早く終わらせないと。
その時、教室の外の廊下から、女の子の話し声が聞こえた。足音と声はだんだん近づいてくる。外の廊下からは、ドアの窓から中の様子が見えてしまう。廊下の先にはもう一つ空き教室があるだけで、用事なんかないだろうけど──でも、もしこの先の教室に何か用事があって、もし通り過ぎるときにちらりとでも見られてしまったら、わたしが裸であそこをいじってるのがバレる。
わたしは気持ちよさも忘れて、手を止めた。背中を冷や汗が流れる。
「どうした? 続けろよ」
男子は悪い笑みを浮かべながら、わたしにそう言った。男子は人が来ていることに気づいているのに、わたしに恥ずかしいことをさせようとしているのだ。
「だ、だれか来てるから……」
わたしが震える声で男子にそう言うと、男子はそれをあざ笑った。
「仕方ないなあ」
男子はわたしの座っている机を蹴った。大きな音が鳴り、わたしは驚いてびくっと肩を震わせた。男子はもう一度机を蹴ろうとする。わたしはそこで男子の意図に気づく。わざと大きな音を出して、近づいてきた子たちの関心を引こうとしているのだ。
「や、やめて、気づかれちゃう……っ!」
「続けろ」
「……っ」
わたしは男子に屈して、秘所をいじるのを再開する。女子たちの話し声と足音は、確実にこっちに近づいてきていた。こっちから話し声が聞こえているくらいだから、さっきの音はきっとあの子たちに聞こえただろう。もし興味を持ってこっちに来て、教室を覗かれたりしてしまったら──。恥ずかしくて死んでしまいそうだった。
でも、そのことを考えると、秘所が疼いて、ぬるぬるした液体がとめどなくこぼれてくる。こんな姿を見られるのは絶対嫌なのに、わたしは指で気持ちいいところを触るのをやめられない。
「あ……ん、くっ……はぁっ、んんっ……!」
女子たちはもう教室のすぐそばまで来ている。わたしは声を必死に噛み殺しながら、秘所をいじり続けた。心臓が痛いほどドキドキして、湿った吐息が口から漏れる。こんなので気持ちよくなったらダメなのに……。
「そのまま続けろよ?」
わたしが快感と羞恥と戦っていると、男子はいきなり立ち上がって、わたしのからだに手を伸ばしてきた。そして──
「あ、ん────っ!!」
──わたしの無防備な乳首を、指で強く弾いた。
わたしは突然の痛みに、声を上げてしまいそうになる。口に当てていた手を息もできないくらいに密着させて、なんとか声が外に漏れないようにした。しかし、男子はそれから何度も胸のさきっぽを弾いてくる。
「んっ、ん──っ! あっ、ああっ……!」
男子の命令で秘所をいじるのをやめることもできず、口から手を離すこともできない。わたしは男子の胸へのいじめを防げず、痛みに涙目になりながらからだをびくびくと震わせる。わたしの秘所は男子の責めを喜んでいるかのように、弾かれるたびに勢いよく液体を噴き出し、ほとんど絶頂してしまいそうになっていた。
でも、もしいまイったら声が漏れてしまう。そんなことになったら──。
わたしはイってしまいそうになるたび、秘所の指を少し止めた。早くイって終わらせてしまいたいけど、今はだめ──。わたしが胸の痛みと自分で秘所をいじる快感をこらえていると、女子たちの話し声は小さくなっていく。男子はやっと責めをやめ、わたしをニヤニヤしながら見下ろした。
「惜しかったなあ。もうちょっとで見てもらえたのに」
「……っ」
わたしは男子に恨みがましい視線を送る。男子はその視線を気に留める様子もなく、わたしに言った。
「早く続けろよ。見られたいなら別だけどな」