「……っ」
わたしはまずストラップを外して、手で胸を隠しながら、キャミソールを片手で脱ごうとする。片手で脱いだことなんてなかったから手間取ったけど、なんとか頭の上から抜く。わたしが脱いだキャミソールを机の上に置くと、男子とスマホのカメラの視線がわたしの指の隙間から入り込んでくるような気がした。
わたしは心配になって窓の外をちらりと見やる。大丈夫、まだ誰にも気づかれてない……。
男子は顎をしゃくって続きを促した。次は下……。胸とあそこを手で隠しながら脱ぐのはとてもむずかしい。わたしは胸に手を当てたまま、からだをかがめて片手で少しずつショーツを下ろす。男子に見られないように、スマホのカメラに映らないように……。膝まで下ろしたあとは、あそこに手を当てて、ショーツを床に落とした。両方の手がふさがってるから、拾い上げることはできない。
わたしは生まれたままの姿を男子の前に晒す。すでに泣き出してしまいそうなほど恥ずかしかった。男子は椅子から立ち上がって、スマホのカメラをわたしに向けたまま、ゆっくりと近づいてくる。男子を問い詰めようと呼び出したのはわたしなのに、裸にされた途端に心細くなってしまう。
「手どけろよ」
「……っ」
わたしは許しをこうように男子を見上げたが、男子はわたしの羞恥を楽しむような目をわたしに向けていた。わたしみたいな貧相なからだでも、性欲の対象として見られてる……そう思うと怖くなる。
わたしはからだの震えを抑えながら、胸に当てていた手を下ろした。わたしが気にしている小さな胸と、その先っぽが男子の目とスマホのカメラに晒されてしまう。
「ほんとに小学生みたいな乳だなあ。こんなんで美沢の代わりになるとかよく言えるな」
わたしはうつむいて男子の心無い言葉に耐える。これも凪沙ちゃんを守るため──。そう自分に言い聞かせた。
「さっさとまんこも見せろよ」
男子に言われ、わたしは秘所に当てていた手をどけた。男子はわたしの一番恥ずかしいところを、無遠慮にじろじろと見始める。スマホも同時にそこを映していた。
「ほう、まだ生えてないんだなぁ。こっちもガキか……」
それは、わたしが小さい胸と同じくらい気にしていることだった。恥ずかしいところを見られながら男子になじられ、撮られて、涙が浮かんでくる。そしてこの動画はクラスの男子に共有されるかもしれない……。そう考えると、もう男子たちと目を合わせるのも嫌になる。
わたしはぎゅっと目をつぶって、この時間が早く終わることを祈っていた。男子はわたしのからだをたっぷり鑑賞して、スマホに収めると言った。
「よし、続けていいぞ」
男子の要求は、裸になるだけじゃない。わたしは今から土下座して男子に頼まないといけないのだ。
わたしは床に膝をつく。こんな卑怯な男子の前で、膝をついて頭を下げるなんて、屈辱的だった。でも、やらないといけない。もしわたしが凪沙ちゃんみたいに魅力的だったら、こんなことしなくてよかったかもしれないけど……。
男子はにやけながら、わたしを征服欲に満ちた視線で見下ろしていた。男子のズボンの股のあたりが膨らんでいた。わたしにこんな屈辱的なことをさせて、興奮してるのかな……。
わたしは指を床について、頭を下げる。そして男子に言う。
「わ……わたしが、凪沙ちゃんの代わりになります……っ、だから、凪沙ちゃんには、もうえっちなことしないでください……っ」
わたしは羞恥と屈辱に震える声でそう言った。男子の失笑が聞こえる。
「あーあ、それだけかよ、つまんねえなぁ。なんかもっと興奮するようなこと言えないのか?」
わたしは顔を上げて、男子を見上げた。
「こ、興奮するようなこと……?」
「エロい言葉使ってさぁ。頼み方ってもんがあるだろ」
「そ、そんなこと言われても……」
そんなのわからない。わたしに思いつくえっちな言葉なんて、おっぱいとかおまんことか、それくらいしかない。でも、男子を満足させないと、凪沙ちゃんを守れない……。わたしは必死に考えて、頭を下げながら、思いつく限りの恥ずかしい言葉を言った。
「わ、わたしの、ちっちゃいおっぱいと、お……おまんこで、せいいっぱいえっちなご奉仕、します……っ、どんないやらしい命令も、恥ずかしいことも、しますから……、どうか、凪沙ちゃんの代わりに、わたしのからだを使ってください……っ!」
わたしは耳まで真っ赤にして、涙を溜めながら、なんとか最後まで言い切った。男子は下品な笑い方をして、わたしにさらに辱めを与えようとしてくる。
「じゃあ、お前は俺の性奴隷ってことでいいんだな?」
性奴隷……。そんなのいやだ、とわたしは思う。でも──このままじゃ、凪沙ちゃんが男子の……それ、になってしまう。わたしは恥ずかしいのを我慢していった。
「は、はい……性奴隷、です……っ」
わたしがそう言うと、ようやく男子は満足したような笑みを見せた。よかった、やっと恥ずかしい時間が終わる……それに凪沙ちゃんを守れた……。わたしが安心していると、男子は言った。
「へへ、じゃあそっちに立てよ」
男子は窓際を指差す。
「……っ、そ、そんなっ、土下座したのにっ」
「おいおい、もう自分で言ったこと忘れたのか? 今から調教してやるよ。性奴隷としてな」