「あぅ……っ!」
男は葉月の細い左の手首をつかんで、頭の上に挙げさせた。
「そのまま腕挙げとけよ」
「……っ」
男は手を離したが、男の言葉に縛られた葉月には、腕を下ろすことはできなかった。男は次の標的を見定めるように、さらけ出された彼女のわきに視線を向ける。
「へへ……なかなかキレイにしてるじゃないか」
チアでも陸上でも、その場所が見えるようなユニフォームを毎日のように着ているから、葉月は手入れを欠かしたことがなかった。その場所の肌は幼い少女のように白く滑らかで、じっとりとにじんだ汗の粒が浮かんでいた。男はそんな彼女のその場所を愛でるように、指の背でそっとなぞる。
「……っ、ぅ……っ」
くすぐったさに、葉月はぴくっとからだを反応させる。男は彼女のわきに顔を近づけ、また小刻みに鼻を鳴らす。男の仕草に、葉月は嫌な予感がして──そして、息をつく間もなくそれは現実になってしまう。
「ひゃう……っ!」
男のざらついた舌が、彼女のつるりとしたわきを舐め上げた。その感触に、葉月の喉が小さく揺れる。思わず腕を下ろしてしまいそうになったが、葉月は男の言い付けを守ってその気持ちをこらえた。
「へへ、だいぶ蒸れてるなぁ。JKのムレワキ、たまんねえわ」
「……っ、いや……っ!」
男の言葉に、葉月の顔が耳まで真っ赤に染まる。彼女のその場所からは、スポーツ少女らしい健康的な汗の香りと同時に、子供のようなほのかに甘い匂いが立っていた。女子高生特有のその匂いを追い求めるように、男は葉月のわきを舌で擦り上げる。
「ひゃ……っ! いやぁ……っ!」
小さく声を上げながら、葉月はからだをぴくっと震わせる。部活のせいで汗をかいているのに、舐められるなんて、恥ずかしすぎる……。葉月がそう思っているのに、男は鼻息を荒くしながら舌を動かしてくる。でも──男のざらざらした舌でわきをくすぐられる感触に、彼女のからだは羞恥ではない感覚を覚え始めてしまって……彼女はわずかに足をもじつかせはじめる。
「へへ……おい、なんでマンコヒクつかせてるんだ?」
「……っ!」
男はそれを見逃さず、彼女を言葉で追い詰める。機械を入れられたままの葉月の秘所は、男に舌でからだを弄られると、それに反応するようにひくっと引きつる。そして結露のように染み出したしずくを、ぽたりとショーツに垂らしていた。
「舐められるのがそんなに好きか? つくづく変態だな」
「……っ、ち、ちがう……」
葉月は弱々しく首を振る。しかし、男は有無を言わせまいとするように、彼女のなめらかなわきに唇をつける。
「あ……っ!」
ねっぷりとした舌とは違う、かさついた男の唇の感触が触れ、葉月の喉から短い声があふれる。男はそのまま、彼女の肌に染みついた匂いを吸い出そうとするように、その場所に唇を密着させながら舌を動かした。
「……っ、やぁ……っ!」
葉月の口から羞恥に染まった声が漏れた。男の舌の感触に、ついさっきの否定の言葉が嘘だったかのように、葉月の秘所はきゅっと機械を締め付ける。ほんとうに、舐められて興奮してしまっているみたいで……葉月は余計に恥ずかしくなってしまう。
「へへ……ほら、上も脱いでぺったんこな胸見せてみろ」
「……っ」
男にそう命令されて──葉月はその辱めを受け入れるように、目をそらしながらユニフォームに手をかける。汗で肌にぴったりとくっついた深紅のそれを頭の上から抜くと、ショーツと同じブルーのスポーツブラが男の目に晒される。
「中学生みたいな下着だなぁ。次俺が呼び出すときは、もっと男が喜びそうな下着つけて来いよ」
「……っ、で、でも、部活が……」
毎日のように部活でからだを動かす葉月は、学校がある日はほとんどいつも動きやすいスポーツ用の下着を身につけていた。それも、少しでも良いタイムを出すためのことなのに──葉月が口にすると、男はその言葉をすぐに退ける。
「口答えするな。俺の命令が聞けないのか?」
「……っ」
そんなアスリートとしての陰の積み重ねも、男の性的な満足のために邪魔される──悔しい気持ちになりながらも、弱みを握られた葉月には男の言うことを聞くしかなかった。
「……っ、はい……、わかりました……」
葉月がそう言うと、男は満足げな笑みを浮かべる。そして、続けろ、と指示するように顎をしゃくって促した。
「……っ」
汗を吸ってしっとりと濡れたスポーツブラを、葉月は髪を纏わらせながら抜き取った。彼女の控えめな膨らみが、男の目の前であらわになる。その場所は、葉月にとっていちばんのコンプレックスで──隠したい思いに駆られながら、脱いだ下着とユニフォームをぎゅっと握りしめた。
「へへ、相変わらず可愛らしい乳じゃないか。少しは育てようとしてるのか?」
男の辱めの言葉に、葉月は視線をそらしたまま押し黙る。見られたくないけど、胸もあそこも隠すことは許されなくて……そんな彼女の心を映すように、葉月の右腕は胸の下に添えられていた。そして、羞恥に耐えようとするように、その手のひらが左腕の肘のあたりを握る力が強くなる。
「へへへ……」
男はその場所に顔を近づけてくる。洋菓子のように白くなだらかな膨らみと、その上にちょこんと載った薄い色合いの突起──葉月のそれを、男は品定めするようにじっくりと眺める。そして、その先端を唇でついばんだ。
「あ……っ」
葉月は喉からこぼれたような声を出す。しかし、男はすぐに彼女の胸の先端から唇を離した。この前されたみたいに、男の舌でその場所を徹底的に嬲られることを予感していた葉月は、少しだけ歯がゆいような感じがして、つい男のほうを見てしまう。
「どうかしたか?」
男はそんな葉月の心情を分かっているかのように、ニマニマ笑って彼女にそう問いかける。葉月は一瞬感じてしまった物足りなさを忘れようとするように、きゅっと唇を結んだ。葉月が何も言わないでいると、男はもう舌を彼女の胸に触れさせずに、なめらかな肌を腹部にまで這って下らせる。
「こっちも弄ってやらないとなあ」
ほどよく引き締まった葉月のその場所を目の前にして、男は鼻を鳴らした。陽菜にもほめられたように、葉月のおなかは雪のようにしみひとつなく、その真ん中にはすっと縦に開いた小さなくぼみがあった。そして、そこが敏感な弱点でもあることを、葉月は男に知られてしまっていた。
「……っ」
男の舌が彼女の形のいいへその周りをねっとりと這いはじめる。ナメクジが通った跡のように、真っ白な彼女の肌が男の唾液に汚されていく。おなかの上をぬめぬめした感触が這うくすぐったさを、葉月はわずかにからだを震わせながら我慢した。
男は葉月のほのかに甘い肌の味を味わいながら、少しずつ舌をその中心に近づけていく。そして──
「ひゃ……っ!」
男の舌がその小さなくぼみをなぞると、葉月のからだはぴくんと跳ねる。そんな彼女の反応に笑みを浮かべながら、男はその場所の内側を舌で擦り、中へ這い入らせようとする。
「んん……っ、あ……っ、ふあぁ……っ!」
男の舌は彼女の小ぶりなそれを可愛がるように責め立ててくる。ぬるぬると粘着質のものに敏感な場所を責められて、葉月の口からはまるで性感を感じてしまっているかのような声が漏れ出した。
(おへそなんかで、反応しちゃダメなのに……っ)
そう思い込むほど、自分が変態のように思えてきて──葉月は余計に恥ずかしくなってしまう。男は葉月にそう自覚させようとするように、彼女の弱点をさいなみつづけた。そして彼女の秘所からは、彼女が快感を感じていることを証明するようにとろりと液体が糸を引いて落ち、膝にかかったスポーツショーツに吸い込まれていった。
「へそ舐められて感じやがって。そんな変態みたいな体質、恥ずかしくないのか?」
顔を真っ赤にして目を伏せる葉月を、男は容赦なくなじる。葉月は男の言葉を否定することもできずに、恥ずかしげに肩をふるわせた。

